Comet 1995q1
8月19日にオーストラリアのテイバーさんによって10等で発見された新彗星です。8月末は10等前後で観測されてましたが、計算された軌道によると10月の初旬には地球に約0.4天文単位まで接近し、明るさも5等前後まで明るくなることが期待されてます。
9月に入ってぐんぐんと明るくなり、下旬には5等台に突入した模様です。10月7日には、地球と約0.4天文単位まで接近しました。
なお、この彗星の日本語表記法については、これまで幾つかのパターンがありましたが、吉田さんの情報から再び「テイバー」としました。詳しくは吉田さんのページの中の「C/1996 Q1 ( Tabur )の発音」をご覧下さい。
11月に入っても比較的明るい光度で推移すると見られてましたが、10月の中旬から急速に暗くなり、11月始めには9等程度まで暗くなってしまったようです。この明るさになりますと、地平高度が低いこともあって条件が悪く、観測は難しいと思われます。
<以下観測報告です>
- 1996.10.1 26h頃
もう寝ようと思って物干しから空を見たら、いきなりの晴天。驚いて慌てて簡易観望モードに走りました。8×30の双眼鏡で、ポルックスからカストルをたどり、さらに同じほどのばしたところに、いました、いました。ぼわーっとしてちょっと暗めのイメージでしすが、満月過ぎの月がこうこうと輝いてますから、その中でこれだけ見えれば立派です。
5cm屈折の16倍で見たら、ぼんやりと尾らしきものも見えてました。視野の1/4くらいですから、1度弱ですかねー(ちょっとあやふやです。すみません)。
観測機材:5cm屈折(f=400mm)10倍・16倍、8倍30mm双眼鏡
- 1996.9.22 26h頃
台風一過のこの日、月没を待って、家から近い国分寺跡に出かけました。そらは秋の天の川がうっすらと見えるほど。この時期の東京としては格別の空でした。
彗星の方は、さすがに東京に来ると、少々見づらくなります。とりあえず持ち出したFC-50で楽に見つかりましたが、3cm双眼鏡になると少々つらいですね。それでもこんな小口径で楽しめるほどに明るいことは確かです。6等台でしょうか。
観測機材:5cm屈折(f=400mm)10倍・16倍、8倍30mm双眼鏡
- 1996.9.15 明け方
FAS府中天文同好会は、伊豆に観測旅行に出かけました。夜半を大きく回って晴れ出し、大室山付近で観望を始めました。
さて、この彗星ですが、おおざっぱにオリオンの上の方と言うことだけ頭に入れて、3cmのファインダーで探し始めたのですが、すぐにぼんやりした像が飛び込んできました。12cmで見るとかなりしっかりした像で、コマは若干いびつでした。ぼんやりと尾らしきものも見え、今後が期待されます。明るさは正確に観測したわけではないのですが、6等台の後半ではないか、と言うイメージでした。肉眼ではぎりぎり見えませんでしたが、3cmの双眼鏡があれば楽に探せます。
スケッチをしようと思ったのですが、雲の往来が激しく、やがて曇ってしまい観望だけにとどまりました。
観測機材:12cmニュートン反射(f=720mm)18倍・29倍、8倍30mm双眼鏡他
<お薦めリンク>
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こちらのNo.50、51にこの彗星の記事がありました。
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