黄道12星座?13星座?の噂話について

 最近、星占いの星座が13に増えたの?と言う質問を多く受けるようになりました。子供達の間では爆発的に噂になってると言う話も聞きます。私から見ると、どうでもいいと言う気もするのですが、これについて怪鳥なりにまとめてみました。大した内容じゃありませんが、よかったら読んでやって下さい!



 そもそも星座は今から5千年くらい前に作られ始めたたらしいです。その当初からこの黄道12星座の原型があったようです。その後、星座はギリシャ神話と結びつくわけです。ものの本によりますと、2500年前には占星術と言うのはもう生まれてたみたいです。この占星術に黄道12星座と言うのが多用されたのですね(多分)。

 地球は太陽の周りを1年かけて回っています。このため、春夏秋冬と星座が移っていくわけですが、同様に太陽の見かけの位置も星座上を1年で1周します。はしょって説明すると、この太陽の移動していく道筋を黄道(こうどう)と言います。この黄道に星座が12あったからこれを用いたのか、1年を12に区切ってそれを星座にあてはめたのか、私は知りませんが、どちらにしてもこの黄道上にある星座の名前が星占いに用いらたのは事実です。

 占星術で使用する誕生日と星座の関係ですが、基本的には、生まれた日に、太陽が見かけ上見える方向にある星座が、その人の星座と言うことになってます。実際には太陽がいるんだから昼間でその星座は見えないんですけど、そんな感じに対応してます(見えない星座をあてたってのは、すごいですね。僕だったら考えつかない。)。これが今まで2000年以上にわたって使われ、また親しまれている黄道12星座(黄道12宮とも言いますね)な訳です。厳密には、2000年の間に随分とずれが生じてますが、昔の日付のまんま使われてます。

 一方、星座全体の歴史を見ますと、黄道の12星座と言うものはほとんど変わらずに来たのですが、全天には色んな人がどんどん勝手に星座を作ってしまっていくのです(ちょっとはしょった説明ですみません)。そんななんで、とりあえず便宜的に、1928年の国際天文学連合とか言うところの総会で、星座を88に決めることにしました。その際、星座の境界線と言うものを幾何学的に(経緯度線に沿って)決めることにしたそうです。厳密に星座の境界線が決まったこの時、太陽の通り道の黄道は、従来の12星座の他、(なにが正式なんだかわかりませんが)へびつかい座を正式に横切ることになったのです。

 つまり、黄道星座を「黄道がよぎっている星座」だと決めるならば、今から70年近くも前から13星座だったわけで、昨今突然に13星座に増えたわけではありません。これはこの文章で書きたいことのポイントです。

 元来、占星術と言うものは(少なくとも現在わかっている)科学的根拠に基づいているものではなく、あくまで統計学的なものから成り立っているわけですから、これを単に「便宜的に決められてしまった」星座の境界線で今さら考えると言うこと自体、個人的にはナンセンスな感がしますね。

 もっとも私は占星術を見下しているわけではありません。いくら科学的根拠がなくったって、2000年以上にもわたる統計的データを否定することなんて誰にもできません。それを信じるも信じないも個人の自由です。ただ私は信じないようにしているたぐいの人間ですが。

 さらに、今決められてる星座境界線で厳密に統計を取り直して、そうして占ってるんだと言われたら、それも否定はしません。占い自体、最初になにかしらで状態を区分するわけで、それをどう決めるか、それはその占う方自身のポリシーみたいなもんでしょうから。

 ただ、歴史的背景から見ればずーっと長きにわたって使われてきて、今でも親しまれているわけですから、黄道12星座は、そのまま12星座であってほしいなぁと個人的に思います。少なくとも星を見る興味のきっかけとしては、説明しやすいです。

 いずれにしても、今突然に「本当は13星座なんだぜぃ」って騒ぎ立てること自体が、とってもナンセンスなことなんだってことはわかって頂けたんじゃないかと思います。この一文が書きたくて、こんなにずらずらと書いてしまいました。いかがでしたでしょうか?

ちなみに、いわゆる黄道12星座とは、

おひつじ、おうし、ふたご、かに、しし、おとめ、てんびん、さそり、いて、やぎ、みずがめ、うお

の12個です(^^)。

 最後まで読んでくれたあなたに感謝!


7/17、テレビ東京「クイズ赤恥・青恥」で問題として出題されました。この番組、きちんと由来などまで解説してくれるので、好きな番組なんですが、この13星座問題についてはその経緯について全く触れませんでした。残念・・・。また誤解が増えるかなぁ。



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